めちゃくちゃ鋭い指摘です。まさにその通りです。
Blender VSE(Video Sequence Editor)がマイナー扱いされているのは、「Blender=3Dソフト」という強固なイメージと、いくつかの歴史的・実用的な理由が重なっているからです。
以下、順を追って整理します👇
🧱 1. 「Blender=3D」の固定イメージ
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Blenderはもともと3Dモデリング&レンダリング用として進化してきた歴史があり、
「VSEはおまけ」的な位置づけで見られています。 -
3D界隈では強烈に有名でも、映像編集者の世界では「Premiere / Resolve / Final Cut」が標準化しているため、
映像編集者の頭の中に“Blender”が入っていない。 -
公式プロモーションやコミュニティも、3D機能にフォーカスしていて、VSEの情報発信がほとんどない。
⚙️ 2. 開発リソースの優先度が低い
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Blender Foundationの開発力は限られており、VSEはコア機能の中でも最優先ではない扱い。
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そのため、UIや機能の改善ペースが非常に遅く、
他の編集ソフト(Resolve, Premiereなど)と比べると-
カラーマネジメント機能が弱い
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エフェクト系が少ない
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音声編集が貧弱
といった点でプロ用途では足りない印象を持たれがち。
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🎛️ 3. “ノンリニア編集ソフト”としての設計思想が中途半端
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BlenderのVSEは、「3Dシーンをレンダリングして、カットを並べて編集するための軽いツール」という位置づけ。
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つまり、「映画編集」や「プロモーション映像編集」ではなく
“3Dアニメの最終合成やレンダリング出力を並べるためのツール” として生まれた。 -
だからエフェクトやカラーグレーディングよりも、
タイムラインのシーケンス操作が中心。
🧩 4. とはいえ「VSEだけで完結」させる人も増えている
最近はYouTubeやオープンソース界隈で
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「軽い」「安定」「GPU非依存」「Linuxでも動く」
という理由から、Blender VSEを**“Resolveの代わり”**にする流れが少しずつ出ています。
特に、 -
ナレーション+BGM+字幕+カット編集
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シンプルな2Dモーション・トランジション
みたいな使い方にはピッタリ。
Blender VSEを拡張するアドオン(例:Power Sequencer, VSE Transform Tools)を使うと
編集効率がかなり上がります。
🔮 5. もしBlender VSEが本格的に進化したら?
実はBlenderコミュニティ内でも「VSEを近代化しよう」というプロジェクトが進行しています。
(Blender VSE 2.0 計画や、独立したUI改善提案など)
将来的に「Blender Studio制作環境の一部」として強化されれば、
Resolveの軽量代替として認知が広がる可能性はあります。
✅ 結論:マイナーな理由まとめ
| 要因 | 内容 |
|---|---|
| 💡 認知 | 3Dソフトとしてのイメージが強すぎる |
| 🧠 開発優先度 | VSEは「おまけ扱い」になりがち |
| ⚙️ 機能範囲 | 本格映像編集というより3D出力補助 |
| 🪶 コミュニティ | 情報が少なく、ユーザー数が限られる |
| 💪 利点 | 軽い・GPU非依存・Linux完全対応・安定 |
もし興味あれば、「Blender VSEをResolve風に使う設定」や「アドオン構成」もまとめて紹介できます。
やってみたい方向(YouTube用?教材用?Vlog系?)を教えてくれたら、最適な環境構成を提案できますよ。
すごく本質的な質問です。
まさに「Blender VSEではできないことが多い=採用されにくい」という構造的問題があります。
以下に、「DaVinci Resolve / Adobe Premiere ではできるけど、Blender VSE では難しい・できない」主な点を体系的に整理します👇
🎨 1. カラーグレーディング・色補正まわり
ResolveやPremiereが得意
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ノードベースのカラー調整(Lift, Gamma, Gain, Curves, LUT, HDRツールなど)
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カラーマッチング(撮影条件の異なるカットを統一)
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スコープ表示(波形モニタ、ベクトルスコープ、ヒストグラム)
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RAWやLog映像の正確な処理(DaVinciの本業)
Blender VSEの現状
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RGBカーブ・明るさ・コントラスト調整など簡易的な補正しかできない
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カラースペース管理(OCIO)はBlender全体で対応しているが、VSE単体ではUI的に使いにくい
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波形モニタやルメトリカーブのような正確な色補正ツールが存在しない
👉 「色を仕上げるソフト」としては非力。
これは特に映画・CM・YouTubeの映像美重視層に大きなマイナス。
🧩 2. エフェクト・トランジション系
Resolve/Premiere
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ぼかし、光漏れ、ズームトランジション、スピードランプなど、内蔵エフェクトが非常に豊富。
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AdobeならAfterEffectsと連携してモーショングラフィックスを直接合成可能。
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ResolveもFusionタブでノードベースVFXを構築できる。
Blender VSE
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クロスフェード、カラーオーバーレイ、マスク合成などの基本的なトランジションのみ。
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モーショングラフィックスは別途コンポジットノードか3Dシーンを作ってレンダリングする必要がある(手間が多い)。
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サードパーティ製アドオン(Power Sequencerなど)を入れても、表現の幅はかなり制限的。
👉 「映像を動かして魅せる」演出が難しい。
🎚️ 3. 音声編集・ミキシング
Resolve/Premiere
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音声波形編集、ノイズ除去、EQ、コンプレッサー、リバーブなどの音響処理が豊富。
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ResolveはFairlightタブで本格的なDAWレベルのミキシングが可能。
Blender VSE
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音声のフェードイン・アウト、音量調整程度しかできない。
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エフェクト処理は外部ソフト(Audacityなど)頼み。
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ミキサーUIなし。
👉 ナレーション+BGM+効果音の細かいバランス調整が難しい。
🧠 4. ワークフロー・メディア管理
Resolve/Premiere
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プロジェクト管理、メディアプール、プロキシ生成、キャッシュ制御が整っている。
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長編映画・案件単位の複雑な素材管理が容易。
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タイムラインの複数バージョンを切り替えて比較できる。
Blender VSE
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ファイルリンクは単純パス参照。プロキシ生成はできるが自動化が弱い。
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複数シーケンスを行き来したり、編集履歴を比較する機能がない。
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メディアプールやビン分けがないので、長尺素材の管理が大変。
👉 大規模案件・複数人作業には不向き。
🪄 5. テキスト・字幕・モーショングラフィックス
Resolve/Premiere
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タイトルテンプレートやモーションプリセットが豊富。
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字幕ツール(フォント、スタイル、背景、影など)も整っている。
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AfterEffectsと連携すればプロ並みのモーショングラフィックスを直結。
Blender VSE
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文字を入れるだけなら可能(Text strip)。
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しかしフォント管理やアニメーションは不便で細かく制御しにくい。
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凝ったタイトルを作るなら、3Dテキストとして別レンダリング→合成が必要。
👉 「デザインされた文字演出」にはかなり弱い。
🚀 6. パフォーマンスとプレビュー
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ResolveはGPU支援によるリアルタイム再生が強力。
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Blender VSEは軽いが、キャッシュ機構が貧弱で、プレビューが途切れる・遅延することが多い。
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特に多層構成(映像+オーバーレイ+テキスト+カラー補正)では落ちる。
✅ まとめ:なぜVSEは使われないのか(機能比較)
| 分野 | DaVinci / Adobe | Blender VSE | 備考 |
|---|---|---|---|
| カラー補正 | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | ノード・LUT対応が弱い |
| エフェクト | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | FusionやAE連携が圧倒的 |
| 音声編集 | ★★★★★ | ★☆☆☆☆ | フェードのみレベル |
| メディア管理 | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | 長尺で混乱しやすい |
| タイトル・字幕 | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | Text stripが限定的 |
| 軽量・安定 | ★★★☆☆ | ★★★★★ | Linuxでも快適 |
| 無料 | △(Resolve Free版制限あり) | ◎完全無料 | GPU要件が低い |
💬 結論
Blender VSEが使われない最大の理由は、**「プロ映像制作用の“仕上げツール”としての完成度が不足している」**こと。
一方で、
**「GPU非依存・Linuxで安定・軽い・無料」**という強みもあり、
シンプル編集(カット+テロップ+BGM)には最適。
もし「Resolve並みにVSEを強化したい」なら、
アドオン・設定・外部ツール連携を組み合わせた
“強化版VSE構成”を提案できます。
たとえば:
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Power Sequencer(効率化)
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VSE Transform Tools(UI改善)
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Audacity連携(音編集)
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OCIO設定(色管理強化)
やってみたい方向(例:YouTube編集、教材動画、映像作品など)を教えてくれたら、
その目的に合った「最強のVSEセットアップ例」を出せます。やってみる?